臨床成績

臨床試験
国内第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(JR-051-301試験)1)

試験概要

目的 アガルシダーゼ ベータ(先行バイオ医薬品)注1)を投与されているファブリー病患者を対象として、同一用量のアガルシダーゼ ベータBS点滴静注「JCR」(本剤)に切り替えて26週間静脈内投与した時点での血漿中GL-3濃度について、前治療期間(先行バイオ医薬品投与中)と比較することで先行バイオ医薬品と本剤の同等性を確認する。
試験デザイン 多施設共同、単群試験
対象 本剤投与開始前26週間において先行バイオ医薬品1.0mg/kg/隔週を安定的に投与されているファブリー病患者
投与方法 本剤1回体重1kgあたり1.0mgを隔週、点滴静注する。初回投与時の速度は0.25mg/分(15mg/時)以下とする。2回目の投与以降に患者の忍容性が十分に確認された場合、徐々に速めてもよい。ただし、投与速度は0.5mg/分を超えないこととする。 用法・用量については、先行バイオ医薬品と同一の用法・用量を選択した。また、本剤と先行バイオ医薬品の同等性を確認することが本試験の目的であるため、前投薬については、先行バイオ医薬品投与期間から原則変更しないこととした(IARの発現等により治験責任医師又は治験分担医師に必要と判断された場合を除く)。
評価項目 [有効性]
主要評価項目
  血漿中GL-3濃度の前治療期間からの変化(26週時点)
副次評価項目
  血漿中GL-3濃度の前治療期間からの変化(52週後)及び経時的推移
  血漿中lyso-GL-3濃度の前治療期間からの変化(26週時点、52週後)及び経時的推移
[安全性]
有害事象、臨床検査(血液学的検査、血液生化学的検査及び尿検査)、バイタルサイン、腎機能検査及び心機能検査、抗体検査(本剤及び先行バイオ医薬品の抗薬物抗体)、投与関連反応(IAR:infusion associated reaction)
解析計画 血漿中GL-3濃度について、前治療期間の値(4週前、2週前、初回投与時点の平均値)と本剤投与後26週時点の値(24週後、26週後、28週後時点の平均値)の比とその95%信頼区間を算出する。算出した比の95%信頼区間が(0.70?1.43)の範囲にあるとき、同等であると評価する。

有効性

1. 血漿中GL-3濃度の前治療期間からの変化(26週時点)(主要評価項目)

血漿中GL-3濃度は、先行バイオ医薬品注1)投与時(本剤投与4週前、2週前、初回投与時の平均値)が3.844±1.218μg/mL(平均値±標準偏差)であり、本剤投与26週時点(本剤投与24週後、26週後、28週後の平均値、中止例は中止時のデータを使用)が3.780±1.088μg/mLであった。以上より、前治療期間と本剤投与後26週時点の血漿中GL-3濃度の比1.025±0.227の95%信頼区間(0.905~1.146)は同等性許容域(0.70~1.43)の範囲内であった。

2. 血漿中GL-3濃度の前治療期間からの変化(52週後)及び経時的推移(副次評価項目)

52週後の血漿中GL-3濃度は4.009±1.151μg/mLであり、前治療期間との比及び95%信頼区間は0.959±0.184(0.856~1.061)であった。
本剤投与4週前から52週後までの各検査時期における血漿中GL-3濃度の平均値は、3.3~4.1μg/mLの範囲で安定して推移した。

3. 血漿中lyso-GL-3濃度の前治療期間からの変化(26週時点、52週後)及び経時的推移(副次評価項目)

各時期における血漿中lyso-GL-3濃度は、前治療期間が8.870±5.662ng/mL、26週時点が8.881±6.565ng/mL、52週時点が6.981±3.737ng/mLであり、時点間に顕著な差は認められなかった。血漿中lyso-GL-3濃度の前治療期間と26週時点の比及び95%信頼区間は1.074±0.287(0.921~1.227)、52週後の比及び95%信頼区間は1.126±0.171(1.031~1.220)であった。
本剤投与4週前から52週後までの各検査時期における血漿中lyso-GL-3濃度の平均値は、6.9~9.1ng/mLの範囲で安定して推移した。

安全性

初回投与時から52週後まで(本剤投与期間)の副作用の発現割合は12.5%(2/16例、8件)であり、その内訳は悪寒、発熱、咳嗽、白血球数増加及び尿路感染が各6.3%(1/16例)であった。重篤な副作用は認められず、治験中止に至った副作用は6.3%(1/16例、2件)であり、悪寒及び発熱であった。

 

注1)先行バイオ医薬品:ファブラザイム®点滴静注用

1) 社内資料:JR-051のファブリー病を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験(承認時評価資料)